牧師の聖書コラム

 

第28回 「おんぶに、だっこ」
上林順一郎

 きょうは9月19日、「敬老の日」です。新聞によりますと日本では65歳以上の「高齢者」は過去最多で、総人口の約30%を占めるとあります。わたしは80歳を超えていますが、80歳以上は総人口の1割を占め、100歳を超える人はいまや全国で9万人を超えるそうです。今後も高齢化はさらに進むと予想され、「高齢化」は健康的にも、精神的にも、また生活的にも多くの問題をもたらすことになるでしょう。
 100歳を過ぎても現役の医師として活躍された日野原重明さんは『老いを創める』という本の中で、老いは「創める」ものであって、「終わりに向かう」ものではないと書いています。
 その中で「老いるタイプ」を次の三つのように指摘しています。一つは「抵抗型」、まだ若いと言い張り、老いを受け入れようとしないタイプです。二つ目は「不平不満型」、思うようにならないのを他人のせいにし、文句ばかり言うタイプです。三番目は「自己嫌悪型」、失敗を引きずり、老いるにしたがってうつ的になるタイプです。いずれも「老いやすいタイプ」だそうです。たしかに身に覚えがあります。これらに対して日野原さんは老いにならないために、第4のタイプを勧めます。
 「平穏に老境に入り、ストレスがなく、自分を肯定して受け入れ、他人を責めず、過去を悔やまず、日頃の人間関係に満足する」 これができれば世話はないとも思いますが、私は個人的には「おんぶに、だっこ型」を勧めます。
「 あなたたちは生まれた時から負われ、胎を出た時から担われてきた。同じように、私はあなたたちを老いる日まで、白髪になるまで、背負って行こう。わたしはあなたたちを造った。わたしが担い(だっこし)、背負い(おんぶし)、救い出す」(イザヤ書46:3,4)
 神様に「おんぶに、だっこ型」です。これほど、安心で、安全なことはないでしょう。信仰による「老いへの道」です。

2022年9月


ウィンドウを閉じる