牧師の聖書コラム

 

第44回 「祈り合い、支え合い」
上林順一郎

  2024年の年が明けたばかりに思いもかけず能登半島全域に震度7の大地震が発生し、230名を超える人々の命が奪われ、また家屋などの生活の場も破壊され、現在も避難生活を余儀なくされている多くの方々がいます。 「自然災害」という不可抗力の出来事だとはいえ、愛する人を亡くし、また家財や生活用具を失った人々の悲しみと、将来の生活への不安の中にある人々のことを思う時、わたしたちにできることの一つは被災された人々のために祈り、そしてできるだけの具体的支援を行うことだと考えます。

 わたし達の世界は自然や動物を含めてお互いに支え合って生きています。自然は今回の地震のように私たちの生活に甚大な被害を起こすこともありますが、しかしそれ以上にこの地球や自然は私たちの命や生活に多くの恵みを与えてくれているのも事実です。

 「地の続く限り、種まきも刈り入れも、寒さも暑さも、夏も冬も、昼も夜も,やむことはない」(創世記8:22)
地球上を襲った「ノアの大洪水」の後、神は人間に対してこのように語り、「神と地上のすべての生き物、すべて肉なる者との間に立てた永遠の契約に心を留める」(創世記9:16)と約束されました。

 その神の約束に応えて私たちはこの地球、自然、歴史に対して責任を負っていかなければならないのです。その責任とは、わたし達がお互いに助け合い、支え合い、祈り合っていくことによってです。

 「今この時、あなた方の余裕が彼らの欠乏を補うなら、いずれ彼らの余裕もあなた方の欠乏を補うことになり、こうして、平等になるのです」(コリントの信徒への手紙二、8:14、聖書協会共同訳聖書)

 「今、まさにこの時」なのです。
2024年1月


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